業務案内
入居者対応業務
不動産管理会社は入居者が入居してから退去するまでの、一連の業務を行います。具体的には、家賃の集金や滞納している家賃への対応、入居者や近隣住民からのクレーム対応、契約更新業務、賃料保証などが該当します。
家賃回収
入居者対応の中でも、家賃回収は重要な業務の一つです。家賃回収業務は、一般的に入居者から支払われた家賃から、手数料を差し引かれた額がオーナー様の口座に振り込まれる業務一式のことを言います。
クレーム対応
入居者対応の中には、クレームに対処しなければならない場合もあります。また、クレーム内容の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
・水漏れ
・排水溝の詰まり
・お湯が出ない
・エアコンの故障
クレーム内容として多く挙げられるのが、物件の設備に関するものと言われています。どんな物件でも月日が経てば老朽化し、設備の故障も多くなるでしょう。「故障の報告」の段階で、適切に修理・改善を行わなければ、入居者の不満が溜まりクレームへと発展しかねません。さらに、設備機器に不備があると、重大な事故に繋がる恐れもあります。そのため、入居者から指摘があった時点で、即座に対応することが大切です。
そのほかのクレームとして、入居者同士のトラブルや、近隣住民からの苦情などが挙げられます。大切なことは、入居者のクレームを真摯に受けることです。入居者が気持ちよく生活できるように、適切な対応を行います。
適切な対応は入居者の満足度にも繋がり、長く住んでもらえるかどうかにも関わってきます。入居者の定着は家賃収入の安定にも繋がります。真摯なクレーム対応ができる管理会社を見極めることも、安定した不動産経営を維持する要素の一つと言えます。
契約更新業務
定期借家契約などの特約が無い場合は、賃貸借契約の更新が必要になります。賃貸借契約の期間は一般的に2年間と言われており、入居して2年が経過した時点で、入居者に契約更新または、解約かを選択してもらいます。
建物管理業務
建物管理には、設備の管理・メンテナンスや、修繕計画の調整などがあります。建物は、長年の雨風や直射日光によって、外壁の塗装などが劣化していきます。外観や共用部の管理・メンテナンスを怠ると、物件全体の見栄えも悪くなってしまいます。そのため、定期的な設備の確認、修繕などが必要と言えるでしょう。
定期点検&メンテナンス
建物を定期的に点検し、必要に応じてメンテナンスを行うのも建物管理業務の一つです。定期点検では、廊下や階段、エレベーター、玄関、駐車場などの「共用部分」や、外壁などの「外観」、電気や水道、ガスなどの「設備」などを確認します。中でも、非常ベルやスプリンクラー、消火器などの点検は「法定点検」と呼ばれ、期日までに点検を行い、報告することが義務付けられています。これを怠ると、罰則を受ける場合もあるため注意しましょう。
また、万が一事故の発生により大きな被害が出た場合、物件の所有者もしくは管理者の責任が問われます。法定点検を行わなかったことによる事故だと判断された場合、不法行為の責任が問われる場合があります。なお、物件によっては、警備員が常駐していたり、監視カメラがあったりすることがあります。その際は、警備会社との連携も求められます。上記のような「法定点検」以外にも、建物をきれいに維持するためにも、日々の清掃業務なども重要なメンテナンスの一つと言えます。
長期修繕計画の作成
建物の価値や機能を損なわないためには、定期的な点検・メンテナンスだけではなく、事前の調査などにもとづいた、長期的な修繕計画が必要な場合もあるでしょう。
建築基準法第8条には、「建築物の所有者、管理者または占有者は、その建物の敷地、構造および建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならない」と明示されており、これに従ったものが「長期修繕計画」と言います。
前述したとおり、建物は時間の経過とともに老朽化していきます。直射日光や雨風に何年もさらされ続ければ、鉄筋コンクリート製の物件でも劣化が見られるでしょう。
特に、外壁表面の塗料などの劣化を放置していると、コンクリートのひび割れなどが生じることもあり、雨漏れなどにもつながりかねません。そのような事態を未然に防止するためにも、長期修繕計画の作成が必要となる場合があります。
また、国土交通省が作成したマンション標準管理規約コメント第32条には、「長期修繕計画の内容については定期的な見直しをすることが必要である」と記載されており、修繕計画の見直しが推奨されています。経年や工事の実績などに伴い、長期修繕計画に新たな修繕項目が発生したり、工事費などに変動が生じたりするケースもあるため、定期的な修繕計画の見直しを行う必要があるのです。
工事・リフォーム必要時の発注
長期修繕計画によっては、工事・リフォームが必要になることも考えられます。老朽化などで下がってしまった物件の価値を上げるために、工事が必要な箇所を指定し、発注先の業者を選定、実際に工事が施工されるまでのコントロールを行います。工事やリフォームは、破損個所の修繕だけでなく、空室対策の手段でもあります。ユニットバスをバス・トイレ別の部屋に変えたり、砂利の駐車場をコンクリートに代えたり、壁紙を張り替えたりなど、物件の問題点を洗い出すことで、設備環境を整え、集客力アップも狙えるでしょう。
オーナー様との連携
前述したとおり、入居者の募集を行う際には、家賃などの条件や広告宣伝の方法などをオーナー様と相談して進めることが一般的です。オーナー様の多くは、具体的な提案を管理会社に求めていることが多いと言えます。そのため、管理会社はあらかじめ具体的な内容を提示してくれる傾向にあります。特に、空室リスクに関わるものではオーナー様の損失につながらないように、各管理会社のノウハウに基づき、確実性の高いであろう提案が行われるでしょう。
また、入居希望者から入居の申請があった場合は、オーナー様に閲覧してもらい入居の可否の判断が行われることが多いと言えます。サブリース契約でない限り、不動産管理会社のみの判断で入居者の選定をすることはできません。基本的には、入居審査で問題なく契約に進むことが多いですが、なかには入居に懸念が出る方もいるかもしれません。そのため、管理会社は、客観的事実を踏まえてオーナー様に入居者選定のアドバイスを行うことも少なくありません。
不動産管理会社に管理を依頼すると、オーナー様の仕事は、基本的には毎月の家賃振込の確認のみ行えば事足りることが多いです。不動産管理会社は、回収した家賃をオーナー様に送金することも必要業務の一つといえます。月初めに、回収した家賃や礼金、更新料などの収入から、管理手数料、建て替え費用、広告掲載料などの諸経費を引いた額をオーナー様に送金し、併せて費用の明細・内訳も送付します。こうした明細以外にも、建物の状態についてのマンスリーレポートや、各入居者の家賃支払い結果を一覧にして送付する不動産管理会社もあります。どこまで報告するかは管理会社それぞれで、明確な規定はありません。
なお、経営や管理などの様々な問題から、経営に関して悩んでしまうオーナー様も少なくありません。不動産管理会社は、こうしたオーナー様の相談に乗ることも時にはあるでしょう。オーナー様が経営に悩んでいる際は、問題解決への提案やアドバイスを行うことも管理会社の重要な役割の一つと言えるのではないでしょうか。